2011年7月にリリースされ、ロングランヒットとなったショーロクラブによる「武満徹ソングブック」のコンプリート盤が日本コロムビアのBetter Daysレーベルから10月21日にリリースされる。
「武満徹ソングブック」は、1996年に逝去した世界的作曲家・武満徹が遺した歌(ポップソング)を、7人の“ヴォーカリスタス“(アン・サリー、おおたか静流、おおはた雄一、沢知恵、tamamix、松田美緒、松平敬)を迎え、『武満徹ソングブック』 (SONGX-006)としてリリース。現代作曲家が、ポップソングとも言われる「歌」に託した想いをヴォーカリスタスと共にショーロクラブが紡ぎ、発売以来名盤として聴き継がれていた。
武満の生誕90周年にあたる今年、改めて、旧盤では未収録の音源を追加し、武満のポップソングレパートリーすべてを網羅し、ショーロクラブのBetter Daysレーベル移籍第1弾としてリリースすることとなった。武満のポップソングがすべて収録されたアルバムはこの盤が本邦初となる。
ヴォーカリスタスのメンバーとして、新たに畠山美由紀、優河が加わり、さらにライブ音源では現代を代表する詩人であり、武満徹と共に作品を多く創り続けた谷川俊太郎が参加している。
なお、今秋10月24日には東京・立川市にて、ショーロクラブwithアン・サリ―、おおたか静流で、武満徹の歌ものも演奏されるスペシャルコンサートが企画されている。
【沢田穣治(ショーロクラブ)コメント】
2011年にsong x jazzからリリースされた「武満徹ソングブック」その完結版としての音源がようやく日本コロムビアのBetter Daysレーベルから「武満徹ソングブックComplete」として発売されることになりました。ショーロクラブ を代表して今回のリリースまで至ったことに深い感謝を表したいです。
新たなヴォーカリスタスとして畠山美由紀さん「さようなら」と優河さん「燃える秋 日本語ver.」が加わり、さらに豪華な布陣になり完成されたCompleteアルバム。
多くのファンの方に届き長く愛聴されることを強く願っております。
沢田穣治(ショーロクラブ )
武満徹ソングブック-コンプリート-
ショーロクラブ with ヴォーカリスタス
アン・サリー、おおたか静流、沢知恵、おおはた雄一、松田美緒、松平敬、tamamix、畠山美由紀、優河
2020.10.21 Release
COCB-54314-5 (2CD)
¥3,700(+TAX)
[ DISC1 ] 2011年発売「武満徹ソングブック」と同内容
01. 翼 (編曲:秋岡 欧 )
02. めぐり逢い vo:アン・サリー ( 作詞:荒木一郎 / 編曲:笹子重治 )
03. うたうだけ vo:沢知恵 ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:笹子重治 )
04. 明日ハ晴レカナ、曇リカナ vo:おおたか静流 ( 作詞:武満 徹 / 編曲:沢田穣治 )
05. 島へ vo:おおはた雄一 ( 作詞:井沢満 / 編曲:笹子重治 )
06. 恋のかくれんぼ vo:tamamix ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:沢田穣治 )
07. 小さな空 (編曲:秋岡欧 )
08. 見えないこども vo:松平敬 ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:笹子重治 )
09. ワルツ~他人の顔 vo:松田美緒 ( 作詞:岩淵達治 / 編曲:沢田穣治 )
10. 死んだ男の残したものは vo:アン・サリー ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:沢田穣治 )
11. 三月のうた vo:おおたか静流 ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:沢田穣治 )
12. 燃える秋 vo:沢知恵 ( 作詞:五木寛之 / 英詞:Ella Louise Rutledge & Kiristi Kaldo / 編曲:笹子重治 )
13. 翼 vo:松田美緒 ( 作詞 ・曲:武満徹 / 編曲:秋岡欧 )
14. MI・YO・ TA vo:おおたか静流、沢知恵、アン・サリー ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:ショーロクラブ )
15. MI・YO・TA (編曲:秋岡欧 )
[ DISC2 ] 初収録
01. 小さな空 vo:おおたか静流 (作詞:武満徹 / 編曲:ショーロクラブ)
02. 燃える秋 vo:優河&おおはた雄一 (作詞:五木 寛之 / 編曲:沢田穣治)
03. 昨日のしみ vo:松平敬 ( 作詞:谷川俊太郎 / 編曲:笹子重治 )
04. さようなら vo:畠山美由紀 (作詞:秋山邦晴 / 編曲:笹子重治)
05. 素晴らしい悪女 vo:松田美緒 (作詞:永田文夫 / 編曲:笹子重治)
06. ヒロシマという名の少年 (編曲:笹子重治)
07. 〇と△の歌 vo:沢知恵&松平敬 (作詞:武満徹 / 編曲:ショーロクラブ)
08. 小さな部屋で vo:アン・サリー (作詞:川路明 / 編曲:笹子重治)
09. 雲に向かって起つ vo:松平敬 (作詞:谷川俊太郎 / 編曲:ショーロクラブ)
10. ぽつねん vo:おおはた雄一 (作詞:谷川俊太郎 / 編曲:ショーロクラブ)
11. 3たす3と3ひく3 vo:沢知恵 他 ショーロクラブwith ヴォーカリスタス、谷川俊太郎(作詞:谷川俊太郎)
12. 雪 vo:おおたか静流 (作詞:瀬木慎一 / 編曲:沢田穣治)
13. 雪 (編曲:秋岡欧)
All Compositions by Toru Takemitsu
Live Recording : Disc2-M7&11
【日本コロムビア ショーロクラブサイト】
◆Profile
ショーロクラブ Choro Club
笹子重治(アコースティック・ギター)秋岡欧(バンドリン)沢田穣治(コントラバス)の3人によって89年に結成された弦楽ユニット
ブラジルの伝統的な都市型インストゥルメンタル・ミュージック「ショーロ」にインスパイアされながらも、全く独自のサウンドを創造する。90年にファンハウスレコードと契約、94年までに5枚のCDをリリースしたのを皮切りに、現在までにソニーレコード、キングレコード、オーマガトキ、ビクター、ソングXジャズなどから、計24枚のCDを発表している。その活動のフィールドは、通常のコンサートホールやライブハウスだけでなく、美術館やギャラリー、神社仏閣、ジャズフェス、ストリートに至るまで幅広い。
2020年より日本コロムビアのBETTER DAYSレーベルからリリース。
武満 徹 Toru Takemitsu
1930年東京生まれ。幼少時代を父親の勤務地である満洲の大連で過ごす。
1937年、小学校入学のために単身帰国する。長じて戦時中に聞いたシャンソン『聴かせてよ、愛のことばを』で音楽に開眼。戦後、作曲を志して清瀬保二に師事するが、実際にはほとんど独学で音楽を学んだ。
1950年、処女作であるピアノ曲『2つのレント』を発表。当時の音楽評論界の御意見番的存在だった山根銀二によって、「音楽以前である」と酷評されたことは有名な逸話となった。
1951年には詩人の瀧口修造の下で、『実験工房』結成メンバーに加わり、いわゆる前衛的手法に沈潜する。転機となったのは1957年、結核の病床で書いた『弦楽のためのレクイエム』。この厳しくも美しい作品は、来日したストラヴィンスキーよって絶賛され、武満徹の名を世界に知らしめることとなった。
1967年、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の創立125周年記念作品をバーンスタインから委嘱され、琵琶と尺八、オーケストラとによる協奏的作品『ノヴェンバー・ステップス』を発表。この成功が作曲家の名声を決定的のものにした。晩年にはオペラの創作にも取り組んだが、1996年2月20日、膀胱ガンのため逝去。残念なことに唯一のオペラは完成をみなかった。享年65歳。